■関東別院建設の現状3 Vol.3
西山浄土宗々議会議員
都市開教委員会 委員
栗 田 利 竜
南部の一日宗務所で初めて知らされたこと
8月30日、和歌山市梶取総持寺で開催された、南部地方教学講習会では、冒頭、総長が挨拶に立ち辞任に至る経緯を説明されました。
一日宗務所は以前から「聞き置きます」というのが半ば慣例で、実効の有る答弁は期待出来ないのが実態でしたが、ましてあと二ヶ月の内局です。何とも隔靴掻痒の感が有りましたが、今回総括として求められたのは、「東京別院の問題は不可解な事が多すぎる。責任者である当時の総長、開教委員長が出席して、四部で説明会を開催して欲しい」との申し入れと成りました。
さて、注目の東京別院問題ですが、急遽“島田関東壇信徒代表“が欠席と発表され、ますます不審感を煽る事に成りましたが、これは総長より「島田氏に対しコンサルタント契約解除の申し入れをしましたが、こういう契約は2年単位で行うものと言う返事でした。その後どうするか返事が来ておらず、待っている所です。」との釈明がありました。この人物を採用したいきさつと事情を知りたい所です。君野部長からは、「島田氏に手続き等の事務代行を委託するより、京都から職員が東京に出向いた方が、経費的に安くなる」との説明が有りました。
素人をコンサルタントと言い、はては関東檀信徒代表とか、苦し紛れの状態は早急に改善をお願いしたいものです。
坂下教化部長からは、東京別院の土地は3億3千640万円で購入、仮本堂は1億9千740万円で建てている・・・と言う、これも私には初めての事実が公表されました。
今まで、議会が認めた4億5千万の他に8千3百万円もの余分な支出が行われていたのです。そのうち5千万円は関東の壇信徒から集めた1億余円の中から借用し、本山の拝観料収入を流用し、10年20年掛けて返済することにしたと言う説明です。
そもそも東京別院は本山から4.5億円、関東の壇信徒で5億円という話でスタートした計画のはずです。関東の献金はお供えで、手を付けずプールしなければ成らないなど聞いたことも有りません。
別院にプールし、結果として開教委員会が勝手に使える金にするなど、どこで誰が決めたのでしょうか。柴田前総長は本山の特別会計から1億5千万円を開教委員会に貸し付けましたが、このように本山や光明寺の会計から内局や委員会が勝手に金を引き出せる仕組みを、誰が作り誰が承認したのでしょうか。
確かに、ここまで“疑惑“が拡がって参りますと、この事態を打開しこれからも勧募を続け、事業を推進するに、情報開示は最低限必要な作業であります。情けないことに、議員にすら知らされていない事が多すぎます。
開教委員会の議事録から
開教委員会に所属し、配布された議事録が手許に有ります。この中から、有る程度今までの流れが読み取れる部分がありますので、ご紹介したいと思います。全文は長くなりますので、ポイントと思われる部分を抜粋いたします。
<平成19年4月17日>
決定事項 ○東京別院の貫首は庫裡兼仮本堂完成までに決定する。
○東京別院の貫首はしばらくの間総長が兼任する。
議事内容 ○・・予算については横浜別院の予算は良いが、東京別院にかかる経費は2億円を超えると森本師から提示があった。これについてはさらに協議しなければならない。
○・・平成19年1月10日現在のご寄進累計は1億5百40万円。
○・・開教推進委員の任期が今年の3月で満期になることが教学部長から提示され、
どうしてもやめたい人だけそのむね申し出ていただくようにいわれた。
<平成19年6月27日>
決定事項 ○東京別院、横浜別院の会計に監査をおく。福井弘隆師と樫田瑞天師が監査に。
<平成19年8月31日>
議事内容 ○本格本堂建設についての資金計画について、遠忌から4億5千万円、関東で5億円という当初の計画であった。寄付金は1億円を越えたが、それ以上の寄付は難しいのではないか。墓地計画を断念することにより当初通り納骨堂の計画にもどす。納骨堂による収入を基に本格本堂を建設する。納骨堂等の建物を計画するより、どのような教化活動を行うかを検討すべき。行政主催の行事にも積極的な参加が必要である。拠点が出来たら熱意と信仰心で突破口を開くことが大切。葬儀屋とのタイアップなどは直ぐにでもできる。500軒の離郷檀信徒だけでは5億円の資金を集めることは不可能。離郷檀信徒が500軒のはずがない、調査すべき。宗門をあげて、末寺の住職に別院のことを認識していただいて、協力体制を宗門全体でとるべき。全国の西山の離郷檀信徒を結集して別院の檀信徒組織を作る。別院の駐在僧を早急に決めるべき。人材の選定派遣と離郷檀信徒の調査、教化活動が今後課題であると考える。
○本格本堂を含めて3年から5年以内に立てるべきだと考える.そうしないと何時まで
もお金がかかることになってしまう。資本主義経済体制に乗ってしまうことが必要。納骨堂、お墓の事業が資本主義経済体制において行う事業なんです。これが出来なければ東京に進出することは不可能だと考える。町田市は45万人・相模原は55万人つまりマーケットは100万人、こんな人口を有する宗教事業は東京以外にはないのです。その利を十分に活用すべき。
○墓地については売り手市場なので墓地について活動してきた。しかし、これは難しいということになったので、納骨堂建設に戻す。本格的な寺院なので、墓地や納骨堂は必要。現状では500世帯ですが、実際は250世帯。これでは安定した経営は難しい。それを解消するためには納骨堂建設は必ず必要である。納骨堂建設に着手するためには、本来なら檀家用の納骨堂を建設すると考えるのが普通であると考えるが、知名度の面で難しい。したがって、檀徒だけにとらわれない活動が必要と考える。それらの人々を檀信徒になってもらう活動が必要。自前の資金を減らしてパートナーを持つことが必要。リスクを少なくする事業展開が必要。納骨堂業者と接触しました。大岩メタル。株式会社の長谷川。関東の業者タンセイ。などから話を聞いた。建物を造る資金は前もって会社が持つ、後から帰してもらえばいい。などの話を聞いている。これから、基礎調査を行い、年内にまとめる。納骨堂建設には町田市の保健所等に書類を提出することになる。したがって今すぐ動くと最短で再来年の春には販売が開始できると者える。私は長谷川と交渉している。島田さんはそれ以外と交渉してもらっている。墓地を作ることを諦めてもらいたくない。
<平成19年10月16日>
決定事項 ○東京別院の(仮)本堂建立は規模を元に戻し、瓦葺きとする。
規模を戻すための資金捻出までの間は別院建立寄付金等を一時借用する。
<平成19年12月12日>
決定事項 ○今年の12月末をもってコンサルタント契約が切れる島田氏との来年以降2年間の
コンサルタント契約(2年で1050万円)の締結。
納骨堂の建設に向けてのコンサルタント契約(平成20年度分420万円)の締結。
議事内容 ○開教推進委員会規則の改正については、教化部長を副会長とし、副会長を現在の教学部長と教化部長の2名とすることが話し合われ、そのように決まった・・
・・島田氏とのコンサルタント契約については、現在、本堂(庫裡・仮本堂)の建立についてのコンサルタントもしていただいているので、この分の契約料が必要である事が話し合われた、平成19年度分は月割りにしてはどうか、来年以降は契約(一年で420万円)しても良いのでは等の討議があり、平成19年度分については内局に検討を委ねられ、次回までに決定し承認を得る。
○・・納骨堂の建設に向けて・・「はせがわ」については、明慶と言う仏師について問題が有ったことが内局から報告された、最終的には2社の提案にある借入金がある方法で検討を重ねることとなった。
<平成20年1月29日>
議事内容 ○・・どの業者と提携するかは決定することが出来なかった。この資料を議会に提出して、議会の判断を仰ぐことが提案された。
○ ・・前回の委員会において月割りのコンサルタント契約にすることが決まっていたので、毎月税込み42万円でどうかとの提案に、出席者全員が賛成した。
<教化活動>(平成20年1月~12月)
・ ・東京別院の教化活動は別院独自で実施するのか、宗門を挙げて推進するのか。寺院を取り巻く社会情勢が激変しそうな今後、首都圏での変化の目は、いずれ地方に波及するのは必至。・・・従来のような死者を媒介とする法要は今後あまり期待できません。生前葬がこれから主流をしめてくるでしょう・・・
・
<建築等>(平成20年1月~12月)
・資金計画に裏付けられた建設計画を具体的検討をやり直す。
・ 向こう10年で500軒程度の新規檀家獲得が必要か。
・かろうじて東京都だが交通不便。代わりにあるのは豊かな自然。差別化をはかる道は、自然と共存する寺院」を作る以外にはない・・・
・ ・スタートは少なくとも東京別院2名、横浜別院1名の体制が必要・・・東京別院 との機能分担も明確にする、分院の経費負担も重い。存続する以上は有効な活用が必要。
・柴田内局当時は御遠忌予算19億7千万円のうち4億5千万を支出し、地元負担5億をもって開設すると言う計画で議会で審議相当の不審を持たれつつも可決されたと記憶しています。それがいつ、いかなる理由によるものか、ほとんど本山負担となり資金繰りに苦慮する事を考えますと、先へ先へと計画を進めることに大変危惧を覚えます。
・コンサルタントの方が紹介下さった仏具店長谷川氏の計画にも不審を持ってい ます。固定指産税の支払いもあり、とてもむつかしい対応を迫られていることを憂慮しています。計画も大切ですが、足下の不安にどう対処するのか、一歩一歩確実でありたいものです。
(引用終わり)
以上の記録を読みますと、世俗の常識からみてどうかという点や、総長の指名のみによる特定メンバーによる秘密主義はともかく、真面目に真剣に討議を重ねられて来た事は理解出来ます。
おかしな“コンサルタント“によるおかしな提案によるものか、おかしな伽藍配置や、無謀と言える納骨堂計画は回避出来ましたが、実態を踏まえない希望的運営計画しか持たずに、今後の困難な運営が危惧されます。元はと言えば、多大の不審を抱かれながら本山から4億5千万円、関東からの寄進が5億円という計画を強行し、使いにくい土地を先行取得し、結果、関東からは1億5百40万円しか集まっていない所(関東の檀信徒による寄進は7千910万円であり、残り3千410万円は西山住職と寺族の高額寄付。)に計画の破綻があり、資金計画に困る事態に陥った主原因です。まさかとは思いますが、その背景に何か思惑が有ったとするならば論外の事です。
開教委員会は、急ぎ今に至る情報を開示し、問題点と責任を明確に、宗門全体の議論を仰ぐべきでしょう。それによって、行くか帰るか今後の展開を計らなければなりません。
次回は11日の開教委員会、10月1日の臨宗の様子からご報告致します。
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